
ふるさと
私は 今 数十年ぶりに 日本に 凱旋帰国していた
指揮者として
成功を収め 世界を 飛んで回る日々
桜 恋しく 母を思いだすように 並木の桜を 歌うように
母の 墓前に 花を 手向けていた
・・・数日前に・・・
母親 泣かせに 国に帰れない 日々よ 許してほしい・・・・
コンサートの合間
1日2日 休みが取れるも
やまいに 倒れる
母
会えていたのは わずか 数時間の 親子
桜
母が 小さくみえた 母さん
ごめんッ
私を
待つ人がいる
私の
指揮を待つ 仲間がいるんです
桜の花 舞う 春のさき 母が好きだった
桜は
母の心を見せてくれる 母さん 一緒に帰ろうか!?
思い出に咲く桜を 思い出して
母は 私を 見ると
涙隠さずに 立派になった 息子を 私を 抱きしめて 大粒の涙をながしていた
母
少年の日々を 思い出す 母
ふるさとの 母
帰る場所
母
そう だから、
いま は いまだけは
そう
僕は 大好きだった 母にと
帰ってゆくね
母さん
あの少年のぼくは 心の故郷を歌う
そう
そうだね
そうさ きっと そうだよ
美しい 桜は 思い出は 優しい・・・、。
・・・いつかの・・・ッ!?
母に、。
君は あの日の夕日を 歩いて行こう
